
当診療科で可能な検査
当診療科では、患者さまの症状に最適な治療方法をご提供するために
様々な検査手法にて原因を追究します。
パッチテスト
アレルギー性または刺激性によるかぶれの原因を調べる検査です。
かぶれの原因と考えられる製品やアレルゲンを背部または上腕の皮膚に貼布し、皮膚の反応を確認します。アレルゲンをアルミ皿に20mgずつ載せてテストします。
パッチテストの様子を動画で紹介しています。

検査の対象となる症状
下記の持参品や当科で常備している試薬シリーズを貼布し原因物質の特定を行います。

- 化粧品、日焼け止め、クリーム
- ヘアケア製品、染毛剤
- 外用薬(ステロイド外用薬、非ステロイド外用薬)
- ゴム手袋
歯科治療で金属等を使用する前に金属アレルギーの確認が必要な場合
下記のような症状がある場合は金属アレルギーの有無を確認します。

- 金属アレルギーによる慢性湿疹
- ピアス皮膚炎
- 口腔内の扁平苔癬
- 掌蹠膿疱症
原因として疑われる薬剤の特定を行います。

- Stevens-Johnson syndrome
- Drug-induced hypersensitivity syndrome
- 多型紅斑型薬疹
- 固定薬疹
パッチテストの対象疾患
- 金属アレルギー ベルトのバックル皮膚炎
- 金属アレルギー 扁平苔癬
- 染毛剤による接触皮膚炎
- ゴム手袋による接触皮膚炎・手荒れ
- 化粧品による接触皮膚炎
- ジェルネイルによる接触皮膚炎
パッチテストの対象疾患
金属アレルギー ベルトのバックル皮膚炎

金属アレルギー 扁平苔癬

染毛剤による接触皮膚炎

ゴム手袋による接触皮膚炎・手荒れ

化粧品による接触皮膚炎

ジェルネイルによる接触皮膚炎

パッチテスト診療の流れ

1.初診(問診)
臨床症状や経過より、アレルギー性接触皮膚炎や薬剤アレルギー、金属アレルギーが疑われた場合はパッチテストを行います。パッチテストを希望された患者様には、検査の説明を行います。 さらに、問診から貼布すべき製品、アレルゲンや患者様の持参品を決め、パッチテストを予約します。

2.パッチテスト開始
火曜日にパッチテストを開始します。
当院で準備したアレルゲンや患者様が持参された物質を背部もしくは上腕に貼布します。貼布した後に写真で位置を記録し、テープで固定します。48時間後まで貼布します。

3.判定
1回目:木曜日(48時間後)にパッチテストユニットを剥がし、印をつけ、判定、写真撮影をします。
2回目:金曜日または土曜日に皮膚の反応を判定し、写真撮影をします。
3回目:1週間後に最終判定を行います。結果のお渡しと、結果を元にした生活指導を行います。

パッチテストは小児の患者さまもお受けいただけます。
金属アレルギーや外用薬による接触皮膚炎でお困りのお子様も対応可能です。
パッチテストの注意点
- パッチテストを貼るテープでかぶれることがあります。
- 陽性反応が強くでた場合、湿疹反応に伴う、かゆみ、赤み、腫れ、時に 水疱を生じる可能性があります。このような場合、反応が終息する過程で、 かさぶたや色素沈着が残ることがあります。
- まれですが、パッチテストで感作される(かぶれる)可能性があります。
- パッチテストを貼布し、剥がすまでは背部を締め付ける下着の着用はお避けください。
- パッチテストを貼布している時は、入浴や汗をかく作業、運動をお避けください。
- 木曜日に、パッチテストを剥がした後に印(インク)を付けます。 印が衣類につく可能性がありますので汚れてもよい下着を着用のうえお越しください。
プリックテスト
即時型アレルギー症状の原因を
特定するために行う検査です。
プリックテスト・スクラッチテストは、特定の薬剤や食物の摂取後に起こる、口腔違和感や蕁麻疹、アナフィラキシーショックなどの即時型アレルギー症状の原因を特定するために行う検査です。
その安全性や有用性、簡便さから欧米で高く推奨されています。 プリックテストにより、蕁麻疹などの原因となった食物や薬剤を明らかにすることができ、さらに今後注意すべき同じような症状を誘発する食物や薬剤を知ることから、今後の生活がより安全なものになることを目指します。
プリックテストの様子を動画で紹介しています。

全ての年齢の患者さんに行うことができます
プリックテストの対象疾患の例
- 食物アレルギー
- ラテックスアレルギー
- 薬剤アレルギー
- 花粉症・鼻アレルギー
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性結膜炎
プリックテストで検査できる抗原・物質
各種花粉抗原 / ヒマワリの種 / 果物・スパイス / アニサキス / 豆乳 / コチニール / 天然ゴムラテックス / 茶のしずく石鹸(加水分解コムギ末) / エビ・カニなどの甲殻類 / 魚介類 パルブアルブミン / 甘味料(エリスリトール等) / 薬剤など
プリックテストの流れ
プリックテストは細い針を前腕屈側に刺して小さな孔をあけ、その上に調べたい抗原(アレルギーの原因物質、例えば果物、野菜、小麦、薬剤など)を置いて、蕁麻疹に似た皮膚症状が出現すれば陽性であると判定します。

アレルゲン(原因物質)を皮膚に一滴落とします。
新鮮な野菜や果物の場合は、針を野菜や果物に刺し、そのまま皮膚に刺します。

プリックランセットなどの細い針で静かにアレルゲンを刺します。

素早くティッシュペーパーで拭きます。

15分後に判定します。
膨疹の直径mm(最長径とその中点に垂直な径の平均値)を測定します。
患者様にお持ちいただく持参品について
患者様が実際に摂取して症状が出現した食物や薬剤を用いて検査を行います。そのため、検査する食物や薬剤はご自身で準備していただきます。

スクラッチテスト
プリックテストで用いた細い針で出血しない程度に4mm程度の傷を前腕屈側の皮膚につけその上に試薬やアレルゲンを載せます。プリックテストよりたくさんの抗原が皮膚に入るので、プリックテストでは誘発できなかった反応を誘発することができます。

プリックランセットもしくは細い針で皮膚に線状の傷をつけます(約4mm)。

アレルゲン(原因物質)を載せます。

素早くティッシュペーパーで拭きます。

15分後に判定します。
膨疹の直径mm(最長径とその中点に垂直な径の平均値)を測定します。
その他

血液検査

内服負荷試験

皮内テスト(日帰り入院)

看護師によるスキンケア指導
アトピー性皮膚炎セルフケア教育入院
根拠に基づく治療を学んでいただけるプログラムです。
内服薬・外用薬についてや特殊な治療方法について学んでいただけます。当診療科の看護師によるスキンケア指導、当院栄養士による栄養指導も実施いたします。

毎月第4月曜日の午前中~土曜日退院(1週間コースとなります)
(ただし、月によっては変更あり)
- アトピー性皮膚炎を正しく理解する。
- アトピー性皮膚炎治療におけるEBMを学ぶ
- アトピー性皮膚炎でよく使用される外用薬について学ぶ
- 内服薬やアトピー性皮膚炎の特殊な治療法について
- アトピー性皮膚炎のスキンケアについて(当科看護師)
- 栄養指導(当院栄養士)
- ストレスと上手に付き合う方法について
(心療内科的なアプローチ、心理テストなどを用いて解説)
パッチテスト(背部の皮疹の状態による)
プリックテスト
詳細は受診された際にお尋ねください。